放射光小角広角X線散乱および振動分光から眺めた高分子の等温結晶化現象における規則構造発展過程

  • 田代 孝二
    豊田工業大学大学院工学研究科極限材料専攻
  • REDDY Kummetha Raghunatha
    Department of Future Industry-oriented Basic Science and Materials, Graduate School of Engineering, Toyota Technological Institute
  • 西山 麻美
    豊田工業大学大学院工学研究科極限材料専攻
  • 塙坂 真
    豊田工業大学大学院工学研究科極限材料専攻
  • 辻 佐和子
    豊田工業大学大学院工学研究科極限材料専攻
  • 橋田 朋子
    豊田工業大学大学院工学研究科極限材料専攻
  • 曹 維宇
    豊田工業大学大学院工学研究科極限材料専攻
  • 増永 啓康
    (財)高輝度光科学研究センター
  • 佐々木 園
    (財)高輝度光科学研究センター
  • 高田 昌樹
    (財)高輝度光科学研究センター 理化学研究所播磨研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Evolution Process of Regular Structure in Isothermal Crystallization Phenomena of Crystalline Polymers Viewed from Synchrotron Small- and Wide-Angle X-ray Scatterings and Vibrational Spectroscopy
  • ホウシャコウ ショウカク コウカク Xセン サンラン オヨビ シンドウ ブンコウ カラ ナガメタ コウブンシ ノ トウオン ケッショウカ ゲンショウ ニ オケル キソク コウゾウ ハッテン カテイ

この論文をさがす

抄録

結晶性高分子の溶融状態からの等温結晶化過程における規則構造発展の様子を,赤外スペクトル,広角および小角 X 線散乱高速測定データに基づき,分子レベルから結晶格子,高次組織に至るさまざまのレベルから検討した.対象としてイソタクチックポリプロピレン(iPP),ナイロン 10/10,ポリオキシメチレン(POM)を選択した.iPP の場合,赤外スペクトルにおける臨界連鎖長の概念を利用し,溶融状態の中での規則的らせん鎖セグメントの形成ならびに成長過程を描いた.また SAXS, WAXD データからは,規則的らせんセグメントが集合した孤立ドメインの生成,ドメインどうしの接近および相関の増大,そして,ついには積層ラメラ構造への発達と,らせん状分子鎖の形成と発達に平行して生じる高次構造の発展プロセスを明らかにした.ナイロン 10/10 の場合,溶融状態でも弱いながら水素結合がアミド基間で形成されており,等温結晶化が始まる時点で既に,水素結合で結ばれた分子鎖集合体が系全体にわたって不均一に形成されていることを明らかにし,iPP の場合との大きな相違点を指摘した.POM については,伸びきり鎖結晶(ECC)や折れたたみ鎖結晶(FCC)の存在を敏感に反映する赤外バンドを利用し,ラメラ構造形成に至るプロセスの中での FCC および ECC モルホロジー発生の様子を観察するとともに,それが,親ラメラの間の非晶部分で起こる子ラメラの発生と強く関わっていることを明らかにした.<br>

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 66 (12), 536-549, 2009

    公益社団法人 高分子学会

被引用文献 (7)*注記

もっと見る

参考文献 (74)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ