メタボリックシンドロームと生活習慣および体重変化の関連の検討

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タイトル別名
  • Relationship of Metabolic Syndrome with Lifestyle and Weight Change in Japanese Adults
  • メタボリックシンドローム ト セイカツ シュウカン オヨビ タイジュウ ヘンカ ノ カンレン ノ ケントウ

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抄録

【目的】成人の男女を対象に,メタボリックシンドローム(MetS)と生活習慣および体重変化の関連を検討する。<br>【方法】2009年度,特定健康診査と自記式の標準的質問票に回答したA健康保険組合員の被保険者または被扶養者3,342人(男性1,614人,女性1,728人)のデータを解析に用いた。標準的な質問票には,性別,年齢,生活習慣(運動行動:3項目,食行動:6項目,喫煙:1項目,休養:1項目),体重変化(長期的な体重の増加,短期的な体重の増減:各1項目)が含まれる。MetSの判定基準に従って対象者をMetS該当者,予備群,非該当者の3つに分類し,特定健康診査の結果およびMetSの判定とリスクの組み合わせを記述統計で示した。また,MetSの該当者と予備群を従属変数とし,生活習慣と体重変化との関連を,単変量と多変量ロジスティック回帰分析を用いて検討した。<br>【結果】全体のMetS該当者は275人(8.2%),予備群は335人(10.0%)であり,男性のMetS該当者は236人(14.6%),女性のMetS該当者は39人(2.3%)だった。MetSのリスクのうち,血圧のリスクを持つ者が多かった(752人,22.5%)。MetS該当者および予備群と関連する生活習慣および体重変化は,男性において,歩行速度(オッズ比〔OR〕=1.56,95%信頼区間〔95%CI〕=1.20~2.02),食べる速さ(OR=1.46,95%CI=1.12~1.91),長期的な体重の増加(OR=7.91,95%CI=6.05~10.34)だった。女性では,歩行速度(OR=1.66,95%CI=1.02~2.72),長期的な体重の増加(OR=11.97,95%CI=6.93~20.67),短期的な体重の増減(OR=2.04,95%CI=1.25~3.34)であった。<br>【結論】MetS該当者と予備群には,男女とも歩行速度と長期的な体重の増加が関連しており,これらの項目に加えて,男性では食べる速さ,女性では短期的な体重の増減が関連していた。

収録刊行物

  • 栄養学雑誌

    栄養学雑誌 70 (3), 165-172, 2012

    特定非営利活動法人 日本栄養改善学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (42)*注記

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