稲わら施用土壌における土壌および稲わら由来無機化窒素発現量とその有機化量の推移
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- 山室 成一
- 九州農業試験場:(現)中国農業試験場
書誌事項
- タイトル別名
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- Mineralization of Organic Nitrogen Derived from Soil and from Rice-Straw-Applied Soil and Transfer from Mineralized Nitrogen to Assimilation and Denitrification
- イナワラ セヨウ ドジョウ ニ オケル ドジョウ オヨビ イナワラ ユライ ム
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説明
稲わら施用土壌における土壌無機化窒素発現量,稲わら由来無機化窒素発現量とその有機化量の推移について,稲わら無施用区, ^<14>N稲わら1.8g施用区, ^<15>N稲わら1.8g施用区の3区の開放インキュベーション試験で ^<15>Nトレーサー法により検討した.1)麦わら施用区の土壌由来無機化窒素の週間発現量は稲わら無施用区のそれに比べて施用2週間後から3週間後にかけてのIII期間(施用J-1週間後からJ週間後にかけての期間をJ週間とする)では無施用区の1.3mgに対して,0.8mgであったが,VII期間からはかえって多くなり,VII期間では無施用区の1.8mgに対して3.3mg/200g生土になった.しかし,IX期間では両区は同じ1.4mg/200g生土になった.2)稲わら由来無機化窒素の週間発現量は各期間ともあまり相違がなく,毎週,稲わら窒素の3〜5%の0.3〜0.5mg/200g生土が発現した.3)とれーさーNH_4-^<15>Nの施用1週間後における有機化割合は稲わら施用区では,無施用区と大きく異なりI期間からVI期間までの各期間でそれぞれ0.83〜0.96と非常に高かったが,それ以後次第に減少し,IX期間では0.42になった.これに対して,稲わら無施用区のそれはI期間で0.27であったがそれ以後少しずつ減少し,VI期間では0.14,IX期間では0.10になった.これは脱窒割合が経時的に少しずつ増加していったことが主因である.4)トレーサーNH_4-<15>Nの施用1週間後における脱窒割合は稲わら施用区では施用直後で0.06と少し確認されたが,それ以後はIX期間までほとんど0であった.これに対して,稲わら無施用区の脱窒割合は初め0.09であったが,しだいに高くなり,IX期間では0.26になった.5)土壌由来有機化窒素量は稲わら施用によって,施用直後は稲わら無施用区よりかなり多かったが,土壌由来無機化窒素の減少とともに一時少なくなった.しかし,その後,土壌由来無機化窒素の増加とともに再びかなり多くなった.土壌由来脱窒量は稲わら施用によって,その施用初期から強く抑制され,ほとんどなった.6)稲わら由来の有機化窒素量は各期間ともあまり相違がなく,毎週,稲わら窒素の3%程度であった.
収録刊行物
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- 日本土壌肥料学雑誌
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日本土壌肥料学雑誌 61 (5), 499-505, 1990
一般社団法人 日本土壌肥料学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282681531742464
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- NII論文ID
- 110001754153
- 10004976941
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- NII書誌ID
- AN00195767
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- ISSN
- 24240583
- 00290610
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- NDL書誌ID
- 3695472
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可