関東および中部地方におけるアロフェン質黒ボク土と非アロフェン質黒ボク土の分布

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タイトル別名
  • Distributions of Allophanic Andosols and Nonallophanic Andosols in Kanto and Chubu Districts
  • カントウ オヨビ チュウブ チホウ ニ オケル アロフェンシツ クロボクド ト

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抄録

完新世テラフが厚く堆積する関東地方と完新世テフラの影響が少ないと思われる東海地域を含む中部地方を対象に,アロフェン質黒ボク土と非アロフェン質黒ボク土の分布図と分布面積を推定するとともに,両黒ボク土の生成と気候条件(年降水量,P-E指標)およびテフラの堆積状況との関係を検討した.1)アロフェン質黒ボク土は,完新世テフラが厚く堆積する関東地方(茨城県,栃木県,群馬県,千葉県,埼玉県,東京都,神奈川県)と中部地方の山梨県,長野県東部,西部,静岡県東部に広く分布していた.これに対して非アロフェン質黒ボク土は,完新世テフラの影響の少ない新潟県,富山県,石川県,福井県,岐阜県,愛知県,三重県,静岡県西部,長野県北部,南部の中部地方各地に広く分布していた.2)関東地方の黒ボク土は,100万分の1土壌図(ベドロジスト懇談会作成)上では,ほぼすべてがアロフェン質黒ボク土に区分され,その面積は111.5万haであった.これに対して中部地方の黒ボク土は,アロフェン質黒ボク土が25.7万ha(46%),非アロフェン質黒ボク土が29.9万ha(54%)とほぼ半分ずつであった.3)アロフェン質黒ボク土と非アロフェン質黒ボク土の分布と生成について気候条件とテフラの堆積状況の関係を検討したところ,両黒ボク土の生成はおおむね気候条件と対応するものの,長野県,静岡県,愛知県,三重県には気候条件では説明できない地域も明らかに存在した.これに対して,完新世テフラの堆積状況は両黒ボク土の生成と密接に関係し,主として完新世テフラが厚く堆積している地域にアロフェン質黒ボク土が,完新世テフラの影響の少ない地域に非アロフェン質黒ボク土が分布していた.

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