稲わら堆肥の腐熟にともなうフェノール物質の変動と水稲幼植物によるバイオアッセイ

書誌事項

タイトル別名
  • Variation of Phenolic Substances during the Humification Process of Rice Straw Compost and the Bioassay by Rice Plant Seedling
  • イナワラ タイヒ ノ フジュク ニ トモナウ フェノール ブッシツ ノ ヘンド

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説明

稲わら堆肥の腐熱にともなうpH,EC,水溶性フェノールおよびp-ヒドロキシ安息香酸,バニリン酸,p-クマル酸,フェルラ酸の変動を追跡した.また,腐熱にともなう稲わら堆肥の水抽出液につき,水稲「日本晴」幼植物によるバイオアッセイを行った.得られた結果を要約して下記する.1)水溶性フェノールは堆積2週間後に増加し,乾物重当たりに換算して1.30g kg^<-1>となったが,12週間後には0.79g kg^<-1>に減少した.2)各堆肥の水抽出液についても水稲幼植物によるバイオアッセイを行った.すなわち,各堆肥の乾物重に対して10倍量の水を加えて得られた抽出液を原液区とし,原液を水でさらに10倍および100倍に希釈した区を設けた.その結果,処理10日後における根長とα-ナフチルアミン酸化力は原液区では抑制されたが,堆積期間の長い程,また10および100倍希釈区では増加を示した.抽出液中のpH,EC,N含量および水溶性フェノールとの相関係数を求めたところ,根長と水溶性フェノールの間に高い負の相関が認められた.3)GCによりフェノール性酸を分別,定量したところ,p-クマル酸>フェルラ酸>バニリン酸>p-ヒドロキシ安息香酸の順であった.また,堆積4週間後にp-クマル酸が,堆積4〜6週間後にフェルラ酸が増加傾向を示した以外は各フェノール酸とも腐熱にともなって減少した.

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