ダイズ小植物体葉身アポプラストへの溶液連続導入法の確立と根粒超多着生形質解明への応用

  • 山谷 紘子
    国立大学法人東京農工大学大学院連合農学研究科
  • 有馬 泰紘
    国立大学法人東京農工大学大学院共生科学技術研究部生命農学部門

書誌事項

タイトル別名
  • Establishment of a Method Enabling Continuous Liquid-Introduction into Apoplast of Soybean-Plantlet Leaf, and Its Application to Elucidating Supernodulating-Trait of NOD1-3
  • ダイズ ショウショクブツタイ ヨウ シン アポプラスト エ ノ ヨウエキ レンゾク ドウニュウホウ ノ カクリツ ト コンリュウ チョウタチャクセイ ケイシツ カイメイ エ ノ オウヨウ

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説明

1)ダイズ根粒超多着生現象に関与する葉身部由来未知物質のin situな効果を,根粒形成数の変化を指標として検定可能にするために,本葉1枚を挿し木して発根させた小植物体を作成し,葉身維管束アポプラストヘ導管負圧を利用して試料溶液を連続導入する方法を考案した,この方法によれば,根粒菌接種後5日間程度の試料溶液導入により,試料溶液のシステミックな根粒形成制御活性を検定することが可能であると判断された.2)NOD1-3・Williams82小植物体の葉身アポプラストヘ尿素溶液を導入し,両小植物体でStage 1, Stage 2いずれの根粒原基数も減少し,特にNOD1-3小植物体での減少が顕著であることから,地上部から根部に輸送される窒素の量と形態によってはNOD1-3の根粒形成が鋭敏に抑制されることが明らかになった.導入された重窒素標識尿素の動態から,導入尿素に由来する窒素が活発に根部に輸送され同化されたことが明らかになり,小植物体葉身維管束のアポプラストに導入された物質のうち師管・伴細胞複合体にloadingされる物質は,根部に活発に輸送されると考えられた.3)NOD1-3・Williams82小植物体の葉身アポプラストヘ明暗反復条件下と連続暗条件下でショ糖溶液を導入し,NOD1-3小槌物体とWilliams82小植物体の根が光合成産物を十分に供給されている場合も,ほとんど供給されていない場合も,またほぼ同程度の糖を供給されている場合も,両小植物体間には根粒原基形成とその発達に明瞭な差があり,NOD1-3の根粒超多着生形質は根部に対する光合成産物の供給水準とは直接関係しないことが明らかになった.

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