畑条件下での重窒素ラベル硫安と各種牛糞堆肥の併用下における由来別無機態窒素の増減要因の解析
書誌事項
- タイトル別名
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- Effect of combined applications of ^<15>N-labeled ammonium sulfate and cattle composts on nitrogen dynamics in upland soil conditions
- ハタケ ジョウケンカ デノ ジュウチッソ ラベル リュウアン ト カクシュ ギュウフン タイヒ ノ ヘイヨウカ ニ オケル ユライベツ ムキタイ チッソ ノ ゾウゲン ヨウイン ノ カイセキ
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抄録
無機質肥料と牛糞堆肥の併用下における無機態窒素の動態を明らかにするために,^<15>N硫安と複数種の牛糞堆肥をそれぞれ単独に培養した場合と併用した場合とを比較し,併用下における無機態窒素の動態について検討した.1)堆肥を併用した際の^<15>N硫安由来の無機態窒素は,^<15>N硫安単独で培養した結果に比べ,その量が少なく,併用することによって有機化が生じていた.またその有機化量は,堆肥の易分解性炭素量と関係があることが示唆された.一旦有機化された^<15>N硫安由来の窒素は,培養期間の増加とともに再無機化される傾向であった.2)堆肥由来の無機態窒素は,^<15>N硫安と併用することで,堆肥単独よりもその無機化が1ヶ月間でおよそ5〜10%増加することが明らかとなった.また,その無機化量の増加は,堆肥の全炭素(C:mg-C kg乾土^<-1>),全窒素(N:mg-N kg乾土^<-1>)と肥料の窒素(fAN:mg-N kg乾土^<-1>)から算出したC/(N+fAN)と負の相関関係が認められた.以上本研究により,^<15>N硫安と堆肥の併用下での無機態窒素量は,両者をそれぞれ単独添加した場合と異なることが明らかとなった.無機質肥料と牛糞堆肥の併用下において,両者の持つ窒素を最大限生かすためには,併用による急激な有機化が生じにくい堆肥を選択することが重要である.そのうえでC/(N+fAN)を勘案することにより堆肥由来窒素の無機化増加量を推定すれば,適正な施肥量が算出可能となる.
収録刊行物
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- 日本土壌肥料学雑誌
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日本土壌肥料学雑誌 79 (2), 163-171, 2008
一般社団法人 日本土壌肥料学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282681533608192
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- NII論文ID
- 110007328377
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- NII書誌ID
- AN00195767
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- ISSN
- 24240583
- 00290610
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- NDL書誌ID
- 9497676
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可