メタン発酵消化液が養液土耕,やしがら耕,ロックウール耕および水耕におけるトマトの生育に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effects of the Aqueous Phase of Methane Fermentation on the Growth of Tomato Plants in Soil, Coconut Fiber, Rockwool and Hydroponic Culture
  • メタン ハッコウ ショウカエキ ガ ヨウエキドコウ ヤ シガラコウ ロックウールコウ オヨビ スイコウ ニ オケル トマト ノ セイイク ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

メタン発酵後に発生する消化液を液肥として,養液土耕,やしがら耕,ロックウール耕および水耕でトマト栽培に用いた場合に,消化液に多く含まれるNH_4^+-NやNa,Clが生育に及ぼす効果を評価した。消化液を希釈しただけのもの(補正なし),希釈して不足成分を補正したもの(補正あり),大塚ハウス肥料A処方培養液を1/2倍に希釈したもの(大塚1/2)の3種を液肥として使用し,トマト品種'ハウス桃太郎'を温室内で53日間栽培した。養液土耕では,外観的な異常はほとんど認められず,生育も大塚1/2に匹敵した。しかし,養液土耕以外の栽培法では,消化液を与えると,NH_4^+-N過剰害が顕著に認められ,生育は大塚1/2に比べて抑制された。その程度は,補正ありは補正なしより軽かった。養液土耕では,葉中NH_4^+-N濃度や培地から採取した溶液中NH_4^+-N濃度が,他の栽培法に比べて低かったことから,硝酸化成の進行や土壌へのNH_4^+-Nの吸着あるいは固定により,NH_4^+-N過剰害が軽減したものと判断された。補正ありでは,いずれの栽培法でも,葉中Na,Cl濃度は生育阻害レベルより低かった。しかし,栽培期間中に溶液中Na,Cl濃度が著しく上昇し,それに伴ってECも上昇した。以上より,トマト栽培における消化液の液肥としての適性は,養液土耕が最も高いと判断された。その一方で,消化液を用いて長期間栽培を続ければ, NaとClの集積による塩類障害が発生する可能性が示唆された。

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