葉菜類の露地栽培における点滴灌水施肥(養液土耕)栽培が収量・品質と施肥効率に及ぼす影響

  • 植田 稔宏
    茨城県農業総合センター園芸研究所
  • 池羽 智子
    茨城県農業総合センター園芸研究所
  • 安 東赫
    茨城県農業総合センター園芸研究所
  • 加藤 一幾
    茨城県農業総合センター園芸研究所:(現)筑波大学大学院生命環境科学研究科
  • 河野 隆
    茨城県農業総合センター園芸研究所:(現)茨城県農業総合センター山間地帯特産指導所
  • 松本 英一
    茨城県農業総合センター園芸研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of drip fertigation on yield and quality of leaf vegetables, and on efficiency of nitrogen fertilization in outdoor plant culture
  • ヨウサイルイ ノ ロジ サイバイ ニ オケル テンテキ カンスイ セヒ ヨウエキドコウ サイバイ ガ シュウリョウ ヒンシツ ト セヒ コウリツ ニ オヨボス エイキョウ

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説明

霞ヶ浦用水を用いた葉菜類の露地栽培における点滴灌水施肥(養液土耕栽培)の効果を確認するため収量性,品質,施肥効率について現地実証も含めて検討した.1)養液土耕栽培における春ハクサイ栽培では25%減肥を行っても慣行区よりも収量は増加し,施肥窒素利用率は30%向上し,下層土壌への窒素の溶脱も削減された.レタスでは47%施肥量を削減しても慣行区と同等の収量,品質を確保できた.毎日給液を行う定量給液では土壌水分は高く推移し,変動は少なく生育期間中安定した水分状態を保っていた.2)養液土耕栽培では施肥量を減らすだけでは,可食部の硝酸イオン濃度が増加し,全糖,ビタミンC濃度が減少してしまうが収穫直前の給液を制御することで,可食部の硝酸イオン濃度を低減させ,全糖,ビタミンC濃度を増加させることが可能であった.3)養液土耕栽培によるレタスの3作を通しての現地実証試験において,慣行栽培と比較し安定した収量,品質が確保され,収穫跡地の残存窒素は局所的には土壌下層まで移動するものの慣行区との差は僅かであり,窒素利用率は慣行区の2倍となることから環境への負荷を少なくすることが可能と考えられた.しかし,過剰な施肥窒素削減は地力窒素の消耗を伴う可能性が示唆された.

収録刊行物

参考文献 (22)*注記

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