不織布に関する研究 (第2報)

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タイトル別名
  • フショクフ ニ カンスル ケンキュウ 2
  • 増粘作用に基く結合剤としてのゴムラテックスの移行防止について

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抄録

ウエッブ状の繊維をラテックスを用いて加工処理する場合, 乾燥中に結合剤の移行が起り易く, またこれが生じては, いわゆる“hungry area”となって殆んど製品としての価値を失うに至る. そこで我々は結合剤液に二, 三の増粘剤すなわちP.V.A., 天然糊剤及び特殊界面活性剤を添加して増粘することにより, 移行の防止程度を検討し, 試料の二層間に及ぼす影響を研究した. 同時に既報の方法に従って試料の表面及び剥離面の着色度を測定し, それから導かれた着色比と接着強度の関係を検討して次のことを見出し得た.<br>1) 結合剤の移行は, 増粘剤添加による液の増粘により殆んど阻止され, 仕上りの厚さが0.7~0.9mm程度のものに対する臨界粘度は100~200cpsであり, この値は着色比の測定から得られた粘度と概ね一致した.<br>2) 試料の層間の接着強度は加えられた増粘剤の量及びそれ自身の接着力によって相当影響された.そして結合剤の移行防止のみに関しては, 天然糊剤の方が P.V.A. よりかなり少量ですむことがわかった.

収録刊行物

  • 日本ゴム協会誌

    日本ゴム協会誌 33 (7), 497-502, 1960

    一般社団法人 日本ゴム協会

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