夏季大村湾における光栄養細菌, とくに褐色<I>Chlorobium</I>の分布について

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タイトル別名
  • Distribution of Phototrophic Bacteria in Omura Bay during the Summer with Special Reference to Brown<I>Chlorobium</I>
  • Distribution of phototrophic bacteria in Omura Bay during the summer with special reference to brownChlorobium

抄録

1967~1970年の夏季に大村湾における光栄養細菌の分布を調査した。光栄養イオウ・非イオウ細菌は, いずれも底質ならびに底層水中に多数分布しており, しかも禍色コロニーが常に優占していた. 底層を除く水層では光栄養細菌は通常検出されないかあるいは少数しか検出されなかった. しかし多数の褐色型細菌が中層水でも希に検出された.底質ならびに海水試料から純粋分離した紅, 緑および褐色型のそれぞれ2菌株, 計6菌株はいずれも生育に硫化物が必須であった。紅あるいは緑色型菌株はそれぞれChromatiumおよびChlorobiumに属した. またこれらの菌株は褐色型菌株よりも従属栄養の傾向が認められた. 一方褐色型菌株はBERGEYのいずれの種にも該当せず, 1967年にPFENNIGにょって命名された褐色Chlorobiumに属した. 褐色型菌株の生育はチミンの補足によって増加した.また湾内4点の底質試料を接種した粗培養から得た生菌体の吸収スペクトルは, ほとんど褐色Chlorobiumの吸収スペクトルに一致した. このように夏季大村湾では褐色Chlorobiumが光栄養細菌の中の優占群であり, このことは細菌相の一つの特徴と見られる.

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