本州東方海域におけける表層温度逆転層について

  • 永田 豊
    Scripps Institution of Oceanography, University of California, San Diego. On leave from Geophysical Institute, University of Tokyo

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タイトル別名
  • Shallow Temperature Inversions in the Sea to the East of Honshu, Japan

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本州東方海域表層中にあらわれる温度逆転層の性質をBT観測による資料をもとにして統計的に調べた. この海域はほぼ親潮前線と黒潮前線に対応する線で三つの海域に分けられる. 親潮前線は亜寒帯水塊 (オホーツク水あるいは西部亜寒帯中央水) の直接的な影響の南限を与え, この北側では大規模な厚い温度逆転層がしばしば出現する. 黒潮前線は逆転層の豊富な海域の南の境界を与え, 直一般に黒潮前線の南側では温度逆転はめったに起らず, 起ってもその規模は著しく小さい. 逆転層の平均的な厚さは一般に南から北に向って増加する. 一方, 逆転層の平均的温度差は黒潮前線の北では, 前線のすぐ北側で極大値をとる他は, ほぼ一様である. この温度差の極大値は黒潮北縁の冷水帯に対応しているように思われる. 大規模逆転層の生起頻度の季節変化は, 小規模逆転層のそれとはかなり異なっているようである.

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