The Oceanographical Observations at the Estuary of Isikari-Gawa

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  • 石狩川河口の觀側

Description

1) 石狩川河口の内部の断面を河水層と海水層の層重状態から分類すると洪水型, 減水型及その中間と見るべき増水型の三つに分けら分る, この層重状態は季節により, 氣象條件により種々うつり變る.<BR>2) 洪水型では河口の斷面が全部河水を以つて満さ分上下全く一様である. 流速は底近くで急速に低下する事がある. 減水に從ひ次第に河口内に海水が進入して來る.<BR>3) 夏期渇水時には表面1~2橘を河水が流下し, 海水層は逆流してゐる場合が多い. 雨層の境界面は極めて明瞭で夏期晴天つづきでは温度差は6~7℃に及ぶ.<BR>4) 秋期には増水のため, 海水層が少くなり河口内部の水温分布は夏と全く逆轉し, 雨層の温度差は6~7℃になる事がある.<BR>5) 冬期には水温が秋期よりもずつと接近する上層は0.2℃で下層は5~3℃である.<BR>6) 夏期減水時の一書夜觀測を行つた. 石狩川河口では潮汐によつて河口の水流の構浩が一變する事は少くとも夏期減水時には認めら分ない.<BR>7) 漲潮に際して先づ逆流海水層の流速が増大し戸河水層の減水はそ分から更に後分て來る. 其他觀測點に於ける流量の變化が逆流海水の流量に平行である事も見ら分た. 又表層水の比重は一書夜の中数時間にわたり僅か減少する事もある. 之は海水の混合量が風, 又は潮汐によつて變化するためかと思は分る.<BR>8) 光電池を用ひて河口水質の光線透過量の空氣のそ分に對する比を求めた河口内に侵入して來る海水は海面が静穏ならば透明で, この状態では上層の河水の泥砂は殆ど沈降しない.<BR>9) 海が風浪又はうねり等によつて淺い部分の攪亂をうけると河口内に逆流して來る海水が泥砂を運搬して來る事實が觀測さ分た. 河口附近の沈澱物質の移動は簡單でなく, 時には再び河口内に進入する事もあり, 氣象條件によつて河口内外を往復する事も考へら分る.<BR>10) 光の透過量と流速, 比重の垂直分布からしらべてゆくと河口内部の水流は四つの層から成つてゐる場合が見出さ分た. こ分は河口断面が洪水に移行する過渡的な場合として説明さ分る.

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