深海水圧下におけるアガラーゼ, アミラーゼ, セルラーゼ, キチナーゼの反応速度

  • KIM Juhee
    Contribution from the Scripps Institution of Oceanography, University of California
  • ZOBELL Claude E.
    Contribution from the Scripps Institution of Oceanography, University of California

書誌事項

タイトル別名
  • Agarase, Amylase, Cellulase, and Chitinase Activity at Deep-Sea Pressures

説明

深海水圧下における海洋細菌のアガラーゼ, 細菌のアミラーゼ, カビのセルラーゼ, 放線菌のキチナーゼの安定性と反応速度とを研究した結果は以下の通りである.<BR>4種類の供試酵素は, 400から500気圧以上では生長できない嫌圧生物から分離したものであるが, さらに, 500から1, 150気圧で生長する好圧菌の酵素による幾つかの加水分解反応をも研究した.<BR>それぞれの酵素がもつ反応速度には相違がみられたが, すべての酵素は深海における水圧と温度の条件下でも活性があり, これらグリコシド結合の加水分解酵素はすでに研究されているオキシドリダクターゼ, トランスファラーゼ, リガーゼよりももっと広圧性であることが判明した. キチナーゼとα-アミラーゼは1,000気圧下でも1気圧下と同様安定であった. セルラーゼも広圧性であり, 1気圧の時の最適水素イオンであるpH 4.2において, 1,000気圧でも高い活性が認められた. 通常の海水がもつpH8.2付近においては, セルラーゼの耐圧性はやや低かった, 1気圧で合成されたアガラーゼの活性は加圧による酵素系の不活性化のために低下したが, 深海から分離された好圧細菌は1,000気圧でも高い活性をもつアガラーゼを合成した.

収録刊行物

参考文献 (11)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ