気管支喘息に対する温泉治療の臨床効果

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Effects of Spa Therapy on Bronchial Asthma. 3. Efficacy of fango therapy.
  • 気管支喘息に対する温泉療法の臨床効果-3-鉱泥治療の有効性〔英文〕
  • キカンシ ゼンソク ニ タイスル オンセン リョウホウ ノ リンショウ コウカ
  • 3. Efficacy of fango therapy

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抄録

気管支喘息に対する鉱泥湿布療法の臨床効果を明らかにする目的で, 治療前後の換気機能の比較検討を行った。気管支喘息19例 (男性7例, 女性12例) を対象とした。このうちステロイド依存性重症難治性喘息は16例であった。人形峠で採取した鉱泥を70-80℃まで加熱し, 布でくるんだ後 (40-43℃), 背中一面に湿布し, バスタオルで体をおおった状態で30分間温めた。換気機能検査は治療前および30分後に施行した。<br>1. 治療前の値を100として比較検討したところ, 治療後の平均値は%FVCでは100.5±16.3で治療前後では有意の変化はみられなかったが, FEV1.0%では108.8±18.5, %V50では122.2±48.7, %V25では144.8±102.7, %PEFRでは109.7±17.7, %MMFでは117.7±53.4で, 改善傾向が観察された。<br>2. 気道抵抗においては, 治療前後では有意の変化は観察されなかった。<br>3. 動脈血ガス分析ではPaO2の平均値は, 治療後に改善傾向を示した。<br>以上の結果から, %FVCなどにおいては変化がみられなかったが, 他のパラメーターにおいては改善傾向が観察され, 特に末梢気道を反映すると考えられる%MMF, %V50および%V25でこの傾向は著しく, 鉱泥湿布療法が小ないし細気管支領域の換気障害を改善させることが明らかにされた。

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被引用文献 (12)*注記

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