書誌事項
- タイトル別名
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- Psychological and Physical Characteristics of Neck Pain in University Students
- 大学生における肩こりの心理・身体的特性について : 自覚的ストレス,STAI,SF-36,唾液コルチゾールによる検討
- ダイガクセイ ニ オケル カタコリ ノ シンリ ・ シンタイテキ トクセイ ニ ツイテ : ジカクテキ ストレス,STAI,SF-36,ダエキ コルチゾール ニ ヨル ケントウ
- —自覚的ストレス,STAI,SF-36,唾液コルチゾールによる検討—
- —Using Perceived Stress, STAI, SF-36, and Salivary Cortisol Levels—
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説明
目的:肩こりは国民の多くが経験する症状であるが,肩こりに関する研究は非常に遅れているのが現状である.そこで本研究では,肩こりの特性を明らかにするため,肩こりを有する者と有しない者の比較検討を行った.<BR>方法:対象は自覚的な肩こりの有無により,肩こりを有する成人男性13名(NP群,平均年齢20.2±0.7歳)と肩こりを有しない成人男性10名(CON群,平均年齢21.2±1.5歳)とした.肩こりの評価にはVisual Analogue Scale(VAS),圧痛・硬結所見を用い,ストレスの評価には自覚的ストレスのVAS,State-Trait Anxiety Inventory(STAI),MOS 36-Item Short-Form Health Survey(SF-36),唾液コルチゾールを用いた.唾液コルチゾール濃度は,酵素免疫測定法(ELISA法)により求めた.また,唾液の採取時間は,午前9時から10時以内の採取とした.<BR>結果:NP群の肩こり感全体のVASは56.9±17.3mmであった.圧痛・硬結所見では,硬結所見に有意差は認められなかったが,左右僧帽筋上部線維,右頭板状筋の圧痛がNP群で有意に高かった(P<0.05).自覚的ストレスのVASではNP群59.1±23.7mm,CON群10.8±17.6mmで有意差が認められた(P<0.05).STAIでは,特性不安ではNP群52.7±9.1点,CON群44.6±9.9点で有意差は認められなかったが,状態不安においてNP群42.2±6.6点,CON群35.9±9.1点で有意差が認められた(P<0.05).SF-36では,下位尺度8項目のうち,身体機能,日常役割機能(身体),体の痛み,全体的健康感,活力,心の健康に有意差が認められた(P<0.05).唾液コルチゾール濃度はNP群16.3±8.2nmol/L,CON群14.8±4.5nmol/Lで有意差は認められなかった.<BR>考察・結語:肩こりの心理・身体的な特性について検討した結果,唾液コルチゾール濃度では有意差は認められなかったが,肩こりを有する者は,自覚ストレス度や不安度が高く,精神的・身体的な健康度が低いことが示された.このことから,肩こりに身体的要因のみならず,心理社会的要因が関与している可能性が示唆された.
収録刊行物
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- 日本温泉気候物理医学会雑誌
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日本温泉気候物理医学会雑誌 79 (2), 119-129, 2016
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282681545504896
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- NII論文ID
- 130005159747
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- NII書誌ID
- AN00186245
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- ISSN
- 18843697
- 00290343
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- NDL書誌ID
- 027446529
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可