高濃度炭酸水温浴の体温に及ぼす効果 (第1報)

  • 前田 真治
    北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科
  • 大淵 修一
    北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科
  • 柴 喜崇
    北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科
  • 佐々木 麗
    北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科
  • 頼住 孝二
    北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科
  • 田中 かつら
    北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科
  • 長澤 弘
    北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of the High Concentration CO2 Bathing on the Body Temperature. (1st Report). Changes of the deep body thermometer and the surface skin temperature by artificial high concentration CO2 warm water bathing.
  • Changes of the deep body thermometer and the surface skin temperature by artificial high concentration CO<sub>2</sub> warm water bathing

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抄録

41℃高濃度炭酸水温浴 (1000ppm: 三菱レイヨン株式会社製高濃度人工炭酸泉製造装置MRE-SPA使用) と水道水温浴における深部体温計 (深部温モニター コアテンプCTM205、株式会社テルモ社製) の変化と表面皮膚温の変化を、健常成人5名を対象に比較した。<br>前額部・上腕部の表面皮膚温は、炭酸水温浴の方が入浴後数分後から水道水温浴に比べ高温となり出浴後も比較的高温が維持されることを認めた。これは温水に直接触れる部位では皮膚表面の血管が炭酸ガスの血管拡張作用により拡張し、熱エネルギーを水道水に比べ多く受けとる結果、温水に浸かっていない遠方の部位で体温が上昇するものと考えられる。<br>胸部の深部体温計の変化は、炭酸水温浴と水道水温浴でほとんど同じ変化である。これは、胸部の深部体温計の変化は、41℃の温水から与えられる熱エネルギーが、炭酸水温浴、水道水温浴ともに胸部までと体温計に近い位置まで入浴しているために、血管拡張などの要因よりは、むしろ直接伝搬の形で伝わるので、双方とも同じように変化したものと考えられた。しかし、表面皮膚温が約2℃上昇しているのに比べ、胸部の深部体温は1℃程度の変化であったことは、心臓に近い部位での体温恒常機構によると考えられた。<br>炭酸玉水温浴群の上腕の深部体温計の方が出浴後急激に下がったことは、心臓周辺・胸部だけでは温水からの熱エネルギーが十分に放熱することができず、上肢がその冷却に用いられていると考えられた。上肢は心臓に近い部位の体温を冷却するように働き、より皮膚表面の血管拡張を引き起こしている炭酸水温浴の方が熱を外部に放散しやすいと考えられる。その結果、皮膚表面で冷やされた血液などが上腕部の深部体温計を低下させ、さらには全身を冷却して、温まった体温を平常にもどす経過をみているとも考えられた。

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参考文献 (8)*注記

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