慢性閉塞性細気管支炎に対する温泉療法の臨床効果

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タイトル別名
  • Clinical Effects of Spa Therapy on Patients with Chronic Obstructive Bronchiolitis.
  • 慢性閉塞性細気管支炎に対する温泉療法の臨床効果〔英文〕
  • マンセイ ヘイソクセイ サイキカンシエン ニ タイスル オンセン リョウホウ

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抄録

慢性閉塞性細気管支炎4例を対象に温泉療法を行い, 臨床症状, 換気機能および気管支肺胞洗浄 (BAL) 液中の総細胞数, 好中球の数および頻度などから, 温泉療法の臨床効果について検討を加えた。さらに, 温泉療法を受けなかった1症例と比較検討した。<br>1. BAL液中の好中球の絶対数および頻度は, 症例1, 2および3では, 3ヶ月間の温泉療法により著明に減少した。そして, これらの症例では, 温泉療法後のBAL液中の総細胞数の明らかな減少傾向が観察された。また, これと同時に臨床症状の明らかな改善も見られた。<br>2. これらの症例における温泉療法による換気機能の改善を, 6つの換気パラメータ, FVC, FEV1.0, PEFR, MMF, V50およびV25により検討した結果, いずれの換気パラメータも温泉療法により明らかに改善したが, 特にMMF, V50およびV25値の増加がより高度であった。<br>3. BAL検査後1年間の経過を, 温泉療法を行った症例と行わなかった症例で比較検討した結果, 温泉療法を行った症例ではBAL液中の好中球の減少が高度であったが, 温泉療法を行わなかった症例ではその減少は比較的軽度であった。<br>以上の結果より, 温泉療法により慢性閉塞性細気管支炎患者のBAL液中の好中球数および頻度が明らかに減少すること, そしてそれにともない臨床症状や換気機能の改善が観察されることが示唆された。

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被引用文献 (1)*注記

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