入浴習慣と身体・心理状況との関連

  • 石澤 太市
    金沢大学大学院 自然科学研究科 分子作用学講座 株式会社バスクリン 製品開発部
  • 渡邊 智
    株式会社バスクリン 製品開発部
  • 谷野 伸吾
    株式会社バスクリン 製品開発部
  • 油田 正樹
    武蔵野大学 薬学部 薬学研究所
  • 宮本 謙一
    金沢大学大学院 自然科学研究科 分子作用学講座
  • 尾島 俊之
    浜松医科大学 健康社会学講座
  • 早坂 信哉
    浜松医科大学 健康社会学講座 日本健康開発財団 温泉医科学研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between Bathing Habits and Physical and Psychological State

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抄録

背景:入浴は、身体を清潔に保つための重要な行為であり、生活習慣の一つである。入浴に対する意識は、疲れを取る、リフレッシュ、健康のため、睡眠をよく取るため等であり、健康維持と捉えることができる。しかし、これまで家庭での入浴習慣と健康状態との関係はほとんど研究されていない。<br>目的:本研究は家庭における日々の入浴と身体的・心理的健康状態との関係を明らかにすることを目的とした。<br>方法:健康成人男女 198 名を対象として調査を行った。入浴習慣の調査項目は、被験者の性別・年齢、浴槽浴頻度、入浴剤使用頻度、浴槽浴時湯温、浴槽浴時間、浴槽浴時水位について調査した。健康状態の調査項目は、気分プロフィール検査である POMS(Profile of Mood States)を用い、主観的健康感および睡眠の質については VAS(Visual Analogue Scale)を用いて評価した。<br>結果:浴槽浴頻度の高い群において、「緊張不安」および「抑うつ・落込み」が有意に低く、主観的健康感が有意に高かった。また、入浴剤使用頻度の高い群では、主観的健康感および睡眠の質が有意に高かった。全身浴群においては、「疲労感」が有意に低く、主観的健康感および睡眠の質が有意に高かった。<br>結論:入浴習慣と身体・心理状況との関連が、健康成人男女を対象として行った研究により明らかになった。全身浴による浴槽浴頻度および入浴剤使用頻度が高い入浴習慣は、中壮年の身体的・心理的健康状態を高めたと考えられた。

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参考文献 (30)*注記

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