日本温泉気候物理医学会80年のあゆみ

  • 東 威
    聖マリアンナ医科大学客員教授

書誌事項

タイトル別名
  • Eighty Years of the Japanese Society of Balneology, Climatology and Physical Medicine
  • 日本温泉気候物理医学会80年のあゆみ : 第80回日本温泉気候物理医学会総会記念講演
  • ニホン オンセン キコウ ブツリ イガッカイ 80ネン ノ アユミ : ダイ80カイ ニホン オンセン キコウ ブツリ イガッカイ ソウカイ キネン コウエン
  • —第80回日本温泉気候物理医学会総会記念講演—

この論文をさがす

抄録

年1回の学術集会は昭和10年(1935年)に第1回が開かれ、昭和20年は戦争で開かれなかったため今回(2015年)が80回目の集会に当たる。昭和50年に大島良雄教授の40周年記念講演(学会誌39巻)があり、昭和61年には学会より「50年のあゆみ」が出版されているのでその後を中心に述べる。<BR>  組織:大学紛争などがあって昭和40年代に会員数は300名以下にまで減少したが、昭和51年に温泉療法医制度が出来て徐々に増加し、平成27年には1,914名、うち温泉療法医976名、温泉療法専門医221名になった。学会は平成17年に任意団体から有限責任中間法人となり、平成21年に一般社団法人となって「専門医の育成」が目的に付け加えられた。平成16年には温泉療法医に加えて温泉療法専門医制度が始まった。<BR>  学術活動:学会誌は会員数の減少で一時年2回発行になっていたが、会員数の増加に伴って昭和60年度からは年4回発行に復した。学会誌の傾向を見ると、50周年以前に比べて気候医学、温泉化学に関する論文が減り、温熱生理、鍼灸、運動・物理療法、健康増進に関する内容が多くなってきている。平成26年には京都で国際温泉医学会(ISMH)を主催した。<BR>  温泉療法医会は「QOLから見た短期温泉療養の効果」、「入浴習慣と要介護認定者数に関する研究」を行い、それぞれ学会誌65巻、74巻に報告した。<BR>  社会活動:学会が法人として社会的に認知されたことにより、平成17年には環境省より「温泉の禁忌・適応文献調査」を委嘱された。5年にわたり提出した調査報告に基づいて環境省局長通知の「禁忌・適応、入浴の注意事項」が平成26年に改訂された。平成24年には厚労省の科研費により、日本法医学会、日本救急医学会とともに「入浴関連事故調査」を行った。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ