気腫化傾向を示す気管支喘息に対する温泉療法の臨床効果

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  • Clinical Effects of Spa Therapy on Patients with Asthma Accompanied by Emphysematous Changes.

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抄録

気腫化傾向の見られる気管支喘息17例 (喫煙例11例, 非喫煙例6例) に対する温泉療法の臨床効果について若干の検討を加えた。なお, 気腫化傾向の評価は high resolution computed tomography (HRCT) 上の-950HU 以下の low attenuation area (LAA) で行い, 今回は%LAAが20%以上を示す症例を気腫化傾向が見られる症例として選んだ。<br>1. 拡散能 (DLco) は, 喫煙歴の有る症例で, 無い症例に比べて有意に低い値を示した。しかし, FVCやFEV1.0などの値は喫煙群, 非喫煙群の間に有意の差は見られなかった。<br>2. 平均%LAAは, 喫煙群において, 非喫煙群に比べ高い傾向が見られたが, 両者間に有意の差は見られなかった。<br>3. FVC値 (%predicted) は, 喫煙群において, 温泉療法により有意の改善が見られたが, 非喫煙群では有意の改善は見られなかった。FEV1.0値は, 喫煙群, 非喫煙群とも温泉療法により上昇する傾向が見られたが, 療法前と比べて有意の差はでなかった。<br>4. 平均%LAAは, 非喫煙群において, 温泉療法により有意の低下傾向を示したが, 喫煙群では有意の低下は見られなかった。<br>以上の結果より, 喫煙による%LAAの増加に対しては, 温泉療法は奏効しにくいことが示唆された。

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