吐血を契機に発見された膵神経内分泌腫瘍の1例

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タイトル別名
  • A Case of Neuroendocrine Tumor of the Pancreas with Hematemesis
  • 症例 吐血を契機に発見された膵神経内分泌腫瘍の1例
  • ショウレイ トケツ オ ケイキ ニ ハッケン サレタ スイシンケイ ナイブンピ シュヨウ ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は42歳,男性.2014年6月に吐血にて前医へ緊急搬送され,内視鏡的止血処置がなされた.造影CTで60mm大の膵尾部腫瘍と脾腫,脾静脈の怒張,胃静脈瘤が認められた.脾静脈への腫瘍浸潤と腫瘍塞栓形成による左側門脈圧亢進症に起因する胃静脈瘤からの出血と診断され,精査加療の目的で当院へ紹介された.腫瘍は造影CTの動脈相で不均一に高吸収,静脈相で軽度低吸収となり,膵神経内分泌腫瘍を疑った.血液生化学検査で膵ホルモンの上昇を認めなかった.再度施行した上部消化管内視鏡では,胃体上部後壁に壁外圧迫性の隆起性病変と胃静脈瘤を認めた.超音波内視鏡下穿刺吸引法による細胞診はClass V,組織診は神経内分泌腫瘍の診断であった.左側門脈圧亢進症を伴った膵尾部神経内分泌腫瘍と術前診断し膵体尾部切除,脾摘,胆摘,胃全摘,結腸部分切除を施行した.吐血を契機に発見される膵神経内分泌腫瘍は稀であり,その病態の考察を加え報告する.</p>

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