北九州空港を活用した地域経営
-
- 片山 憲一
- 公益財団法人アジア成長研究所
説明
北九州空港は2006年の供用開始以来,24時間運用という武器を手に路線誘致に努めてきたが思惑通りには路線は増えず年間約130万人前後の乗降客数で推移してきた。その理由として,すでに福岡空港を拠点とした航空ネットワークが完成していたことや,北九州の知名度が低いこと,アクセスが弱い点など主に行政サイドからの弱点が指摘されてきた。ところが円安やLCCの登場に加え,東京五輪に焦点を合わせたビザ緩和などのインバウンド政策が強化されると外国人観光客が急増した。この2~3年は東アジアに近い九州がクローズアップされた上に福岡空港の混雑という要因も加わって北九州空港にも光が当たり,2016年秋に韓国のジンエアーが仁川と釡山からの定期便就航を発表した。この2路線のみで乗降客が年間20万人以上増えたが,この受け入れ態勢を整える中でマンパワーや容量不足など北九州空港がもつ本質的な弱点が明らかになった。複数の異なる立場で北九州空港の利活用にかかわった筆者は,これまでなぜエアラインに選択されなかったかがみえてきた。その中から,ここでは北九州空港の活用には空港背後圏のブランディングが必要なことやこれまで解決できなかった課題には異なる視点からのアプローチが有効なことを示し,正に今が空港を活用した地域づくりに取り組む絶好のチャンスであることを論じる。
収録刊行物
-
- 東アジアへの視点
-
東アジアへの視点 29 (2), 13-32, 2018
公益財団法人 アジア成長研究所
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282752321342464
-
- NII論文ID
- 130007700507
-
- ISSN
- 1348091X
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可