ひきこもりの青年期女性クライエントが社会とのつながりを形成するまで

書誌事項

タイトル別名
  • An Adolescent Female Client of Social Withdrawal Forming Connections with Society
  • ヒキコモリ ノ セイネンキ ジョセイ クライエント ガ シャカイ ト ノ ツナガリ オ ケイセイ スル マデ

この論文をさがす

説明

<p>本稿は,中学校での不登校以来ひきこもりの状態が続いていた青年期女性が,社会とのつながりを形成していった心理面接過程の報告である。そのかかわりは,クライエントが没頭していた架空世界の共有を重視したものから,面接担当者の交代をきっかけとして,現実生活を重視したものへと移行した。このかかわりの移行に伴い,「話すことが苦手」なクライエントが毎回持参していた日記は面接の台本としての機能が薄れ,クライエントの言葉で語られることが増えていった。また,この現実生活を重視した援助方法として,青年期の友人関係の発達変化に着目した。クライエントの友人関係における発達の残された課題をセラピストとの関係を通して発達変化させることで,社会の中で出会う友人との関係につなぎ,社会参加を促すものになることが示唆された。この示唆は,不登校や引きこもりなど,他者とのつながりが希薄であるクライエントの社会とのつながりを形成し,後押しすることにつながると考えられる。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ