(43)有機農業におけるCSAビジネスの変化に関する制度分析

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タイトル別名
  • ──制度ロジックスへの適応によるアレンジメントの変化──

抄録

<p>有機農業においてCSAビジネスを展開する組織の変化を,制度分析によって明らかにする。そのために,制度派組織論における制度ロジック概念の理論的検討を行い,環境を構成するロジックス間の制度的矛盾に対して,組織が取りうる制度の分離と混合という適応戦略を分析する枠組みを導出した。事例分析の対象は,CSAビジネスを中心に多角化および他企業との戦略的提携を進める企業である。事例分析では,共同体のロジックを濃厚に反映していたCSAビジネスが,家族のロジックとの矛盾への適応によって多角化し,市場のロジックとの矛盾への適応によって戦略的提携を結ぶという2つの事例に注目した。いずれの制度的矛盾に対しても,分離と混合の2つの適応戦略が取られており,それらのパターンも多角化と戦略的提携の事例で異なっていた。この分析結果は,CSAビジネスの展開を,単なる農業の商業化ではなく,解消不可能な制度的矛盾に対して,実践的なレベルでその都度折り合いを付けていく組織の絶えざる営為として,理解する必要があることを示すものである。</p>

収録刊行物

  • 經營學論集

    經營學論集 87 (0), F43-1-F43-8, 2017

    日本経営学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282752332126336
  • NII論文ID
    130007716229
  • DOI
    10.24472/abjaba.87.0_f43-1
  • ISSN
    24242047
    24322237
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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