桑実胚期のウシ体外由来胚を輸送するための培養条件の検討
書誌事項
- タイトル別名
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- Culture method for transport of bovine morula-stage <i>in vitro</i> embryo
説明
<p>【目的】ウシ体外由来胚(体外胚)は凍結保存による損傷を受けやすいため,体外胚を保温培養しつつ輸送する技術は重要である。胚輸送のための保温器材には,蓄電池を要する細胞培養輸送器(38.5℃)と,蓄電池は要せず培養適温域より低い温度(36℃)の蓄熱資材がある。そこで本研究では輸送後の7日齢体外胚の移植を想定し,桑実胚期の体外胚の最適な培養条件を検証した。【方法】食肉センター由来の卵子卵丘細胞複合体を用い,当センター定法で体外成熟-体外受精-体外発生を行った。体外受精開始を0時間(0 hpi)とし,各条件で培養後,168 hpiの胚盤胞形成率(BL)および細胞数(TC)を調べた。試験1:96 hpi(96 h区)あるいは120 hpi(120 h区)の胚を36℃,大気下で48時間培養した。試験2:96 hpi(96 h区),120 hpi(120 h区)あるいは144 hpi(144 h区)の胚を36℃,大気下で24時間培養した。試験3:120 hpiの胚を25 mM Hepesおよび5% 血清(NCS)を添加したTCM199(H199区)あるいはCR1aa(HCR区)で,38.5℃,大気下で48時間培養した。なお,各試験の対照区の発生培養には5% NCS添加CR1aaを用い,5% CO2,38.5℃下で168 hpiまで培養した。【結果】試験1:BLは各区間で有意な差はなかったが,TCは対照区が96 h区(p<0.05)および120 h区(p<0.01)よりも有意に多かった。試験2:BLおよびTCともに各区間で有意な差はなかった。試験3:BLは各区で有意な差はなかったが,TCは対照区がH199区(p<0.01)およびHCR区(p<0.05)よりも有意に多かった。TCの比較から,大気下の36℃での培養時間は24時間までが適しており,38.5℃で48時間までの培養ではTCM199と比べCR1aaへのHepes添加が有効であると示唆された。本研究は生研支援センター「革新的技術開発・緊急展開事業(うち地域戦略プロジェクト)」の支援で実施した。</p>
収録刊行物
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- 日本繁殖生物学会 講演要旨集
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日本繁殖生物学会 講演要旨集 112 (0), P-126-P-126, 2019
公益社団法人 日本繁殖生物学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282752334191872
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- NII論文ID
- 130007719261
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可