マウス卵母細胞の染色体形成におけるコンデンシンIとIIの役割
書誌事項
- タイトル別名
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- Rolls of condensin Ⅰ and Ⅱ in chromosome formation in mouse oocytes
抄録
<p>【目的】コンデンシンは真核生物の染色体の凝縮と分離に必要なタンパク質複合体であり,多くの生物種でⅠとⅡの2つのタイプが存在する。卵母細胞の減数分裂過程においても2つのコンデンシンが関与するが,各コンデンシンの役割についてその詳細は未だ明らかになっていない。本研究では,マウス卵細胞の減数分裂において2つのコンデンシンの染色体形成における役割を明らかにすることを目的とした。【方法】コンデンシンⅠ特異的サブユニットのCAP-H,Ⅱ特異的サブユニットのCAP-H2,またはIとIIに共通のサブユニットのSMC2をコードする遺伝子を卵母細胞特異的にノックアウトした3週齢および3ヶ月齢マウスを実験に供し,卵核胞期卵母細胞を採取した。採取した卵母細胞を体外で6時間培養後,2%パラホルムアルデヒドで固定し,各種のコンデンシンサブユニットに対する抗体とセントロメアに対する抗体を用いた共免疫染色に供し,共焦点レーザー顕微鏡下で観察した。【結果】6時間培養後,野生型マウスの卵母細胞では,第一減数分裂中期まで減数分裂が進行し,4本の棒状の染色分体から成る二価染色体が個々に形成された。Cap-hノックアウト卵母細胞では野生型と同様の二価染色体が観察された。Cap-h2ノックアウト卵母細胞では,個々の二価染色体は形成されるが,野生型のものと比較して,凝縮の程度に異常が見られた。一方,Smc2ノックアウト卵母細胞では,染色体全体で凝縮の程度が低く,二価染色体間の個別化異常が見られ,その異常は採卵に用いたマウスの年齢が高い方がより顕著となった。【考察】以上の結果から,マウス卵母細胞の減数分裂過程では,コンデンシンⅡが染色体の凝縮に主要な役割を果たし,二価染色体の個別化(コンデンシンIの機能と重複)と各染色分体の軸形成に寄与することが示唆された。マウスの年齢による表現型の違いについて,その原因は明らかではないが,ノックアウト後のタンパク質の残存量およびコヒーシンとの関連性の2点から考察した内容を報告する。</p>
収録刊行物
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- 日本繁殖生物学会 講演要旨集
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日本繁殖生物学会 講演要旨集 112 (0), P-55-P-55, 2019
公益社団法人 日本繁殖生物学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282752334219136
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- NII論文ID
- 130007719380
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可