タイ・カンボジア精選コーム文字貝葉写本に基づく<i>Majjhimanikāya</i>の比較

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  • Comparison of the Khom Script Manuscripts of the <i>Majjhimanikāya</i> Found in Thailand and Cambodia
  • Comparison of the Khom Script Manuscripts of the Majjhimanikaya Found in Thailand and Cambodia

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抄録

<p>コーム文字は,特にコーム/クメール文字の起源であったシャム王国とクメール王国に於いて,何世紀にもわたり,パーリ三蔵の貝葉写本に刻印されてきた.しかし,今まで,シャムとカンボジアのコーム文字の貝葉写本が同一あるいは異なる起源を有するのかどうかは不明である.また,カンボジアとタイのパーリ三蔵の貝葉写本について研究を行った研究者の間でも,この問題に関して意見が異なっている.</p><p>東南アジアの仏教史,特にシャム王国とクメール王国の仏教史研究によると,クメール王国での上座部仏教とパーリ三蔵の貝葉写本の伝来の証拠は不十分であり,入手可能な証拠は間接的である.一方,シャム王国と関連する史籍は,シャム王国の領域に於ける上座部仏教とパーリ三蔵の貝葉写本の伝来に関する具体的な証拠を示している.しかし,両国の写本伝承が同一あるいは異なる起源を有するのかどうかを解明するには不十分である.</p><p>本論文は,「パーリ三蔵のコーム文字貝葉写本の起源に関する問題―タイとカンボジアで発見された貝葉写本を中心に―」という論文の続編である.さらに,本論文はタイとカンボジアで発見された貝葉写本から選択されたものに記されているMajjhimanikāyaのテキストと,関連する伝統のものとを比較して,タイとカンボジアで伝承されるパーリ三蔵のコーム文字貝葉写本の起源を考察することを目的とする.</p>

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