r挿入と琉球諸語

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タイトル別名
  • <i>r-</i>Epenthesis and Ryukyuan

抄録

<p>日本語動詞の接尾辞交替の分析として,子音動詞接尾辞が基底形にあたり,規則的な母音動詞接尾辞が動詞語幹境界における母音間のr挿入規則の適用によって派生するとde Chene(2016)が提案している。本稿では,沖縄語の首里方言を中心に,琉球諸語においても話者がその分析(以下,「分析A」)を採用している証拠が見られるかどうかを検討する。その結果,首里方言の歴史のなかで分析Aの採用を示す証拠が豊富にあり,また現代首里方言が,rを語幹末子音とする動詞へと母音動詞が完全に合流しているという,分析Aがもたらす変化の予測される終着点に至っていることが分かる。r語幹動詞の活用形に基づく4項比例による説明をはじめ,分析Aの裏付けとされる革新的な語形の他の解釈も取り上げられ,問題点が指摘される。琉球語族全般に視野を広げると,宮古語以外のすべての琉球語において分析Aが採用されている証拠があることが分かり,その分析の自然性が改めて確認される。</p>

収録刊行物

  • 言語研究

    言語研究 155 (0), 101-130, 2019

    日本言語学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282752341255168
  • NII論文ID
    130007723498
  • DOI
    10.11435/gengo.155.0_101
  • ISSN
    21856710
    00243914
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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