運動神経麻痺を合併した左上肢帯状疱疹の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Herpes Zoster of the Left Upper Extremity Associated with Motor Nerve Paresis

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説明

<p>40歳代,男性。初診10日前から左肩の痛みを自覚し,当科を紹介受診した。 7 日前に左上腕に水疱が多数出現し近医にて左上肢帯状疱疹と診断されファムシクロビル内服を開始したが,左上肢の脱力感と体幹部に散布疹が出現した。徒手筋力テストでは左三角筋 2/5,左上腕二頭筋 2/5 であった。頸部 MRI 検査では左 C5C6 の神経根の腫脹と T2 強調画像で高信号を認めた。以上の臨床症状,検査所見より運動神経麻痺を合併した左上肢帯状疱疹と診断した。アシクロビル 750 mg/日を 7 日間点滴投与を開始したが,運動神経麻痺と疼痛の改善が乏しかったため,アシクロビル 1,500 mg/日に増量しさらに 7 日間点滴投与とステロイドパルス療法併用を合計 3 回行った。皮膚症状は軽快したが運動神経麻痺と疼痛が持続しており,現在もリハビリテーションと疼痛コントロールを継続している。 帯状疱疹患者で脱力感を認めた場合は,帯状疱疹に伴う運動神経麻痺の可能性を考慮する必要があると考えた。 (皮膚の科学,18 : 144-150, 2019)</p>

収録刊行物

  • 皮膚の科学

    皮膚の科学 18 (3), 144-150, 2019

    日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会

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