広葉樹材の200 ℃飽和水蒸気熱処理によるセルロースの構造変化

書誌事項

タイトル別名
  • Changes in Crystal Structure of Cellulose in Hardwood Cell Walls by Hydrothermal Treatment at 200 °C under 1.6 Mpa
  • コウヨウジュザイ ノ 200℃ ホウワ スイジョウキ ネツ ショリ ニ ヨル セルロース ノ コウゾウ ヘンカ

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抄録

<p>20種の広葉樹気乾材を飽水状態にし,200 ℃,2時間の水熱処理による構造変化をX線回折により調べた。光学顕微鏡観察でハリギリ,エノキ試料は,あて材の特徴を示したが,他18試料は正常材であった。水熱処理後は全ての試料で1 1 0と1 1 0の回折が接近し,多くの場合で擬直方晶への変化がみられ,X線結晶サイズ(2 0 0)は著しく増大した。これらの変化はヘミセルロースの溶出を伴う隣り合うミクロフィブリルの共結晶化によるものと考えられる。17樹種の試料では,水熱処理により2 0 0の面間隔が0.8-1.6%減少したが,ハリギリでは0.5%減少し,カキノキ,エノキでは殆ど変化しなかった。これら3試料は,他の17試料に比べ未処理での2 0 0の面間隔が小さく,結晶サイズが大きかった。さらに固体13C NMRによる結晶性セルロース含有量は他試料より高かった。</p>

収録刊行物

  • 木材学会誌

    木材学会誌 65 (4), 212-217, 2019-10-25

    一般社団法人 日本木材学会

参考文献 (14)*注記

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