成人女性の性周期におけるプロピオニバクテリウムアクネス量と皮膚生理機能の変化に関する縦断的調査

  • 向井 加奈恵
    金沢大学医薬保健研究域保健学系
  • 大貝 和裕
    金沢大学医薬保健研究域附属健康増進科学センター
  • 小林 正和
    金沢大学医薬保健研究域保健学系 金沢大学医薬保健研究域附属健康増進科学センター
  • 上田 映美
    公立小松大学保健医療学部看護学科
  • 中島 由加里
    金沢大学大学院医薬保健学総合研究科保健学専攻
  • 中谷 壽男
    金沢大学医薬保健研究域保健学系

書誌事項

タイトル別名
  • Longitudinal investigation of <i>Propionibacterium acnes</i> burden and skin physiological function during menstruation in healthy women

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説明

<p>性周期に伴うホルモン変動が女性の痤創発生の主要因であるとされているが客観的根拠が不足している。また、皮膚生理機能が痤瘡患者では低下すると言われているが、性周期における皮膚生理機能変化については明らかとなってはいない。従って、性周期におけるプロピオニバクテリウムアクネス(P. acnes)量の縦断的変化及びP. acnes量と皮膚生理機能の関係について明らかにすることを目的とした。成人女性6名の左頬部で翌月の月経開始まで2-3日毎に、皮膚細菌を採取するとともに経皮皮膚水分蒸散量(TEWL)、皮脂量、角質水分量と皮膚pHを測定した。P. acnes相対存在量は、ピークが月経開始後14日目以降に生じた後、2-3日後に急激な減少が生じる傾向が示された。痤瘡が観察された1名は、P. acnes相対存在量のピーク後に痤瘡の出現が観察され、Locus3の相対量も増加していた。P. acnes相対存在量とTEWLに弱い正の相関(r=0.28)、P. acnes相対存在量と角質水分量に中等度の負の相関(r=-0.66)がみられた。以上の結果より、性周期の後半においてP. acnes量の急激な変化が生じていること、また皮膚生理機能の低下に伴いP. acnes量が増加することが明らかとなった。従って、皮膚生理機能の向上が痤瘡発生予防には必要である可能性が示された。</p>

収録刊行物

  • 形態・機能

    形態・機能 18 (1), 20-30, 2019

    コ・メディカル形態機能学会

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