剣花坊・日露戦争・碧梧桐

書誌事項

タイトル別名
  • Kenkabō, Hekigotō, and the Russo-Japanese War: Senryū and Haiku in War
  • 剣花坊・日露戦争・碧梧桐 : 時局の中の川柳と俳句
  • ケン カボウ ・ ニチロ センソウ ・ ヘキアオギリ : ジキョク ノ ナカ ノ センリュウ ト ハイク
  • ――時局の中の川柳と俳句――

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説明

<p>本稿では、従来看過されてきた短詩形文学と日露戦争の関わりを、井上剣花坊と河東碧梧桐の動向に即して検証した。剣花坊の川柳革新は『日本』の「新題柳樽」欄を舞台に展開し、戦争の時流に乗って躍進する。その中で彼は既存の「文学」に欠ける「滑稽趣味」を拠り所に、川柳というジャンルを「興国的文学」として価値づけた。一方、戦時下の俳壇では国威発揚を企図した「武装俳句」が試みられるも、実作上の成果を得られずにいた。他方、従軍の計画が頓挫した碧梧桐は、安易に俳句を戦争と結びつけることなく、自立的な「文学」としての俳句像を堅持した。彼はそうした反動の延長線上で全国行脚へ乗り出し、新傾向俳句を鼓吹することとなる。</p>

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