声帯萎縮症例に対する音声治療の検討

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タイトル別名
  • Treatment for Age-Related Dysphonia
  • —Voice Therapy for Patients with Vocal Fold Atrophy—
  • ―加齢による音声障害への対応―

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説明

<p>声帯萎縮は加齢などによって声帯粘膜固有層や筋層の萎縮をきたし,声門閉鎖不全による気息性嗄声が引き起こされる病態である.声帯萎縮に対して音声治療の効果が報告されており,当院での声帯萎縮症例に対する音声治療の効果を検討した.また職業の有無による治療効果の影響を合わせて検討した.</p><p>声帯萎縮に伴う声門閉鎖不全と診断した症例のうち,音声治療を行い治療前後で評価を行うことができた症例を対象とした.対象症例は19例(男性11例,女性8例).治療前後のMPT,VHI,音響学的評価の各パラメータについて統計学的解析を行った.音声治療の内容はVocal Function Exerciseを主体とする包括的音声治療を呼吸法の指導を含めて行った.またオプションとしてチューブ発声,あくびため息法などを用いた.</p><p>MPT,VHI,Shimmer,NHRは有意差をもって改善を認め,声帯萎縮に対して音声治療は有効であると考えられた.また無職群のほうが職業従事者群に比較して有意にVHIが改善しており,発声習慣が少ない者に音声治療が効果的である可能性が示唆された.</p>

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