林冠下のササ制御とリター処理で木曽ヒノキ天然林の実生バンクを確立する

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タイトル別名
  • Establish a seedling bank of Kiso Hinoki natural forest by control of Sasa under the canopy and surface litter treatment

抄録

<p>ササ型林床ヒノキ林の天然更新では阻害要因であるササの抑制が重要だが、伐採後の強光下ではササの回復力を制御できず更新不良になる場合が多い。ササの制御は伐採前に林冠下で行うほうが効果的で、その上で実生バンクを成立させることが更新成功に有効と考えられる。また、実生発生を阻害するリターの除去は実生定着を促進するだろう。そこで、林冠下でのササ制御と地表処理により実生バンク成立が可能かを検証するため、施業実験を2012年に開始した。ササ処理として刈払い区、抑制剤散布区及び対照区を設定し、それぞれに地表処理としてリター除去区と無処理区を設け、ササの再生とヒノキ実生の発生消長を記録した。3年後のササの現存量は、抑制剤区では地上部が緩やかに減少したものの地下部は生存していたが、刈払い区では地下部まですべて枯死した。ヒノキ実生の発生数はリター除去区で圧倒的に多かったが、発生実生の生残率は地表処理による差は無く、刈払い区>抑制剤区>対照区であった。刈払いとリター除去を行った処理区では2016年秋には2年生ヒノキ実生が約20万本/ha生育し、その死亡率も低いことから、実生バンクを成立させるのに有効な手法と考えられた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763010339968
  • NII論文ID
    130007375679
  • DOI
    10.11519/jfsc.129.0_105
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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