<sup>13</sup>Cパルスラベリング法を用いた、ヒノキ幼木の乾燥条件下での炭素利用

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タイトル別名
  • Carbon utilization under drought situation in hinoki cypress using <sup>13</sup>C pulse labeling

抄録

<p>乾燥条件下における樹木の水・炭素利用を明らかにすることは、近年の地球温暖化に基づいた環境変化に対して、樹木がどのように生存し炭素吸収源として機能するのかを考察するうえで重要なことである。本研究では、炭素安定同位体である13Cを、植物の光合成を利用して取り込ませる13Cパルスラベリングを用いて、ヒノキを対象に実験を行い、乾燥条件下で最近得た炭素がどのように利用されるのかを調べた。ヒノキ幼木において、ラベリング後、軽度の乾燥ストレスグループ(n=5)と強度の乾燥ストレスグループ(n=5)、それぞれのコントロールグループ(各n=3・n=2)に分け、降雨を遮断することで乾燥ストレスを与えた。伐採後、ラベリングによって獲得された13Cの割合について、それぞれのコントロールグループの各器官と比較した。結果として、ラベリングで得られた13Cの割合は、二つの乾燥ストレスグループとそれぞれのコントロールグループの間で、有意な差は見られなかった。したがって、強度乾燥ストレス下でヒノキが枯死していくのは、炭素欠乏による要因は少なく、水理障害などほかの要因による影響が大きいのではないかと考えられた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763010367232
  • NII論文ID
    130007375884
  • DOI
    10.11519/jfsc.129.0_334
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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