乗鞍岳標高勾配に対する細根呼吸と形態特性の応答性

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タイトル別名
  • Responsiveness of fine root respiration rate and morphology along the elevation gradient in Mount Norikura

抄録

<p>樹木細根の形態特性や根呼吸速度は、根の維持や成長、資源獲得といった植物機能を評価する上で重要である。本研究は、気象・土壌環境が変化する山岳の標高勾配に着目し、針葉樹と広葉樹における細根呼吸と形態特性の標高応答性を解明することを目的とした。長野県乗鞍岳亜高山樹林帯における1600mから2300mの標高帯で、針葉樹モミ属シラビソ・オオシラビソと広葉樹カバノキ属ダケカンバの細根系を対象とし、根呼吸速度の計測を行った。その後形態特性として比根長、根組織密度、根平均直径を求めた。各調査項目の平均値について、根呼吸速度と根形態特性はどちらも標高による差は見られない一方、針葉樹と広葉樹の間で有意差が見られた。根呼吸と形態特性の関係では、高い根呼吸は高い比根長、細い根直径という高い根機能の特徴が属間で見られ、高い根組織密度は資源貯蔵などの根機能を示す。相関の傾きを標高間で比較し、カバノキ属の根呼吸速度と比根長の相関にのみ標高によって有意差が見られた。以上より、本研究では標高勾配に対する根呼吸と形態特性の応答は一定であり、カバノキ属に関して根呼吸と比根長の相関は標高勾配に沿った環境変化に応答することが示唆される。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763010379136
  • NII論文ID
    130007376140
  • DOI
    10.11519/jfsc.129.0_477
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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