シカによる森林への影響の広域解析

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タイトル別名
  • An analysis of deer impact on forests in various prefectures in Japan

抄録

<p>ニホンジカによる森林生態系への影響が、日本各地で報告されている。しかし、これまでの研究は広くても1つの都道府県程度を扱ったものであり、より広域での研究は少ない。シカは行政界を超えて移動するため、ニホンジカによる影響が発生しやすい条件を広域で明らかにする必要がある。本研究では、栃木県、群馬県、埼玉県、東京都、新潟県、山梨県、岐阜県、静岡県、愛知県におけるニホンジカによる剥皮が発生しやすい条件を検討した。ニホンジカの目撃効率(以下SPUE)は栃木県北西部、山梨県北部、富士山周辺、岐阜県中央部及び南西部で比較的高い傾向を示した。剥皮調査前年のSPUEが高く、樹木の胸高直径が小さいほど剥皮発生確率が高かった。アオダモ、アブラツツジ、イロハモミジ、ウラジロモミ、オオシラビソ、カントウマユミ、キハダ、クリ、コミネカエデ、シラカシ、シラビソ、ツガ、ツクバネウツギ、ナツツバキ、ヒトツバカエデ、ヒノキ、ミズキ、ヤブツバキ、リョウブは剥皮されやすく、クマシデ、コナラ、シキミ、ダケカンバ、ミズナラは剥皮されにくかった。調査地周辺の傾斜、最大積雪深、人工草地の割合は剥皮発生に影響していなかった。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763010415232
  • NII論文ID
    130007376516
  • DOI
    10.11519/jfsc.129.0_825
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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