ミヤコザサの葉および稈のフェノロジー:出稈時期による稈サイズと葉の挙動

書誌事項

タイトル別名
  • Leaf and culm phenology of dowarf bamboo <i>Sasa</i> <i>nipponica</i>

説明

<p>奈良県大台ヶ原では,植生の保全を目的に設置された防鹿柵の内側で,ミヤコザサが地上高80cmに達するほど繁茂し,樹木の天然更新を阻害している.出稈時期や個稈の成長過程は,繁茂したミヤコザサの省力的な抑制のために重要な情報であるが,十分に明らかにされていない.ミヤコザサの出稈時期は集中するのか,また,異なる出稈時期の稈同士で,稈および葉のフェノロジーならびに最終的な稈サイズや葉枚数に差異があるのかについて明らかにした.2016年5月,柵内に50cm×50cmの方形枠を3つ設置し,枠内のミヤコザサ全ての稈を対象として,稈高ならびに葉の枚数およびSPAD値を2~3週間おきに同年11月まで測定し,翌年5月に再測定した.稈の伸長成長は,出稈時期に関わらず,葉枚数の増加が停止する9月下旬に停止した.稈高には,出稈時期による差異は認められなかったのに対し,葉数には差異が認められた.最大葉枚数の多い稈では,当年秋までに根元に近いほど落葉したが,最大葉枚数の少ない稈では秋までの落葉数が少なかった.11月まで生残していた葉のほとんどが,翌年5月にも生残していた.ミヤコザサの葉の挙動は,出稈時期の影響を受けていないことが明らかになった.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763010946688
  • NII論文ID
    130007376292
  • DOI
    10.11519/jfsc.129.0_621
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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