かきおこし処理は針葉樹の更新を促すか:強度の異なる土壌撹乱の影響

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タイトル別名
  • Do scarification treatments enhance conifer regeneration? Effects of different soil disturbance intensity.

抄録

<p>北海道の森林においては、重機を用いたかきおこし処理が広く行われてきた。処理後は一般にカンバ類が優占するが、初期には針葉樹の更新も見られることから、それらを活かして植栽コストを削減することが期待されている。本研究では、針葉樹の更新に適したかきおこしの方法を明らかすることを目的とした。針葉樹(特にトウヒ属)の更新は、鉱物質層が露出する土壌で多いこと、また、表土の量が多いとカンバ類の更新が盛んになることが知られている。そこで、表土の量が少ない処理で針葉樹の本数密度が多くなるという仮説を検証した。2004年に、残る表土の量を変えて3種類(表土多・中・少)のかきおこし処理を行い、経年的に稚樹調査を行った。処理後5年目の時点でトドマツの稚樹密度は、表土の量が少ない処理で有意に高かった。一方、アカエゾマツは処理間で差は見られなかった。しかし10・13年目には表土の量が多い処理で両樹種共に本数密度が極端に低下すると共に、表土が少ない処理では樹高や成長が高く、長期的にみれば仮説は支持された。ただし、表土が中程度の処理との差は小さく、表土の量が多くなければ、両樹種の定着はある程度促進されることが示唆された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763011434752
  • NII論文ID
    130007375861
  • DOI
    10.11519/jfsc.129.0_265
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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