ハンノキ湿地林における樹幹からのメタン放出量とその変動要因

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Stem CH<sub>4</sub> emission rate and its controlling factors in a <i>Alnus</i>-dominated wetland

抄録

<p> 北海道東部の濤沸湖(汽水湖)に隣接する泥炭湿地林において、湖岸からの距離や地下水位変動パターンの異なる3つの調査地(サイトY、M、およびK)を設定し、ハンノキ(各調査地で3個体ずつ)とヤチダモ(サイトYのみで3個体)の林冠木の樹幹表面(地上約20~60cmの幹全周)からのメタン放出量を2017年6月~12月に2か月に1回測定した。あわせて、各調査地における地下水位、土壌間隙水の溶存メタン濃度と主要イオン濃度を毎月1回測定した。樹幹メタン放出量とその季節変動パターンには調査地間で違いがみられた。湖岸から遠く土壌間隙水の水質が汽水の影響を受けないサイトYとMでは、樹幹メタン放出量は8月にピークをもつ明瞭な季節変動を示し、ピーク時の放出量(ハンノキの平均値)はそれぞれ484μg CH4 m-2 h-1と4,035μg CH4 m-2 h-1であった。一方、湖岸に近いサイトKでは、樹幹メタン放出量は調査期間を通じて1~3μg CH4 m-2 h-1と小さかった。樹幹メタン放出量の調査地間での違いには、地下水位、溶存メタン濃度、硫酸イオン濃度などの環境要因が関わることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763011463936
  • NII論文ID
    130007376307
  • DOI
    10.11519/jfsc.129.0_641
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ