フタモントンボキノコバエによるシイタケ被害の年変動とその生態

DOI
  • 加藤 徹
    静岡県農林技術研究所森林・林業研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Annual fluctuation of Shiitake mushroom damage caused by <i>Exechia insularis</i> and its biology

抄録

<p> フタモントンボキノコバエは成虫の体長が約4㎜の外形がカに似たハエ目昆虫で、幼虫が原木栽培におけるシイタケの子実体内部を食害する。静岡県では、近年この害虫による被害が伊豆地域や県西部で目立つようになってきた。浜松市で被害が確認された2015年の最も激しい時期(11月)には、シイタケの個数割合で82%の被害率であった。しかし、2016年には15%、2017年には2%と急速に沈静化していった。この間、寄生蜂等の天敵は確認されておらず、沈静化の原因は不明であった。 野外でこの幼虫による被害発生を調査した結果、10月下旬から食害を受けたシイタケが確認され始め、11月にピークとなり、翌年1月末まで継続した。飼育調査の結果、気温5~22.5℃で卵から成虫になり、10℃では蛹化まで12日、成虫まで26日かかった。また、羽化した日から交尾・産卵するのが確認され、秋期に数回の発生を繰り返すものと考えられた。蛹化は地上で行い、成虫は若いシイタケ子実体に夕方と朝に群がり、交尾と産卵を行うことが分かった。シイタケ以外では、エリンギ、ナメコ、マイタケ、ブナシメジ、ヒラタケ、エノキタケで発生を試みたが、いずれも確認できなかった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763011475712
  • NII論文ID
    130007376314
  • DOI
    10.11519/jfsc.129.0_667
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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