計画保全におけるIoT活用事例

  • 生田 海都
    日本製紙株式会社 北海道工場 工務部 白老工務G

書誌事項

タイトル別名
  • Introduction of IoT device “e-Musen Junkai”
  • ケイカク ホゼン ニ オケル IoT カツヨウ ジレイ

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抄録

<p>紙パルプ産業は代表的な装置産業であり,高効率な生産には設備の安定稼働が不可欠である。近年,IoT(Internet of Things)等のIT技術を設備やモノに活用する技術が実用化される中,当社はIoT技術を基盤としたワイヤレスセンサネットワークであるe-無線巡回®を開発,導入した。</p><p>e-無線巡回®は,①加速度センサと温度センサが一体化したセンサを2個備えた無線子機,②無線子機の測定データを受信する親機,③親機からデータを収集しデータベースに保管すると共に警報判定を行う収集サーバ,④測定データ監視端末で構成される。当工場白老事業所では2015年12月から500台以上の子機を現場に設置してデータ収集を行い,傾向監視を継続した結果,いくつかの機器において,設備異常を事前に察知し,適切なメンテナンスにより突発停止を回避した事例を得て,その有効性について検証することができた。</p><p>従来,場内にある数多くの機器の診断を保全担当者が一つ一つ診断していた作業がe-無線巡回®を使用することで,容易に傾向監視ができるようになる。また,熟練者の勘やコツで得ていたこれらの情報を数値として「見える化」でき,暗黙知の形式知化に繋がることで,技術技能継承や若年者の技能教育への利用も期待できる。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 72 (3), 288-293, 2018

    紙パルプ技術協会

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