神経性過食症関連パーソナリティ質問票の開発

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Bulimic Personality Assessment Sheet
  • シンケイセイ カショクショウ カンレン パーソナリティ シツモンヒョウ ノ カイハツ

この論文をさがす

説明

神経性過食症をもつクライエントへのカウンセリングを行う上で,自尊感情が治療に対してもつ有益な機能に近年注目が集まっている。このことから,神経性過食症をもつクライエントの自己概念や自己評価を整理し,クライエントの自己のあり方をより深く理解することが求められているといえる。そこで本研究では,臨床群を対象とする質的研究から神経性過食症関連パーソナリティ質問票を開発し,それを用いて自己概念を整理して臨床上の示唆を得ることを目的とした。まず大学生172名の回答データを因子分析した結果,「こだわりをもち邁進する私」や「内閉的な私」などの6因子にまとめられることが示され,尺度の信頼性・妥当性が確認された。また自尊感情尺度などとの関連性について検討した結果,第6因子「落ち込みやすい私」や第2因子「内閉的な私」をはじめとする因子が自尊感情や症状とネガティブな関係性をもつことが示された。カウンセリングでは第1因子「こだわりをもち邁進する私」のレジリエンス機能を生かすなど,複数の自己概念を視野に入れ並行して扱う必要があると考察された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ