過酸化水素処理後の電気伝導度測定による水田表層土壌の全窒素含量の推定
書誌事項
- タイトル別名
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- Estimation of total nitrogen content in surface paddy soils by measuring their electrical conductivity after hydrogen peroxide treatment
- カサンカスイソ ショリ ゴ ノ デンキ デンドウド ソクテイ ニ ヨル スイデン ヒョウソウ ドジョウ ノ ゼン チッソ ガンリョウ ノ スイテイ
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説明
<p>市販のオキシドールを抽出剤とした水田土壌の全窒素含量の簡易推定法(オキシドール法)を考案した.日本全国の水田から採取した全国スケール試料83点と御船町の8筆と高槻市の5筆の水田から採取した圃場群スケール試料(御船39点,高槻246点)を用いて,風乾細土画分にオキシドールを添加し,25°Cに調節した室内で40時間静置後に,抽出液のEC(H2O2)を測定した.得られた結果は以下の通りである.</p><p>1)同一試料のEC(H2O2)を5連で測定した時の平均値の変動係数は概ね2%以下だった.またEC(H2O2)は静置温度によって変動した.</p><p>2)EC(H2O2)の全窒素含量に対する決定係数は,全国スケールでは,0.00(黒ぼく土11点),0.70(黒ぼく土以外72点)となった.一方,圃場群スケールでは,0.68(御船),0.23(高槻)となった.</p><p>3)黒ぼく土や一部の高槻試料で見られた低い推定精度は,オキシドール処理による有機態窒素の分解割合が他の土壌よりも低かったことによると考えられた.</p><p>4)測色法と比較した結果,オキシドール法は明度による推定の難しい圃場群スケールではとりわけ有効だった.全国スケールでも黒ぼく土以外の試料に限定すれば測色法よりも高精度で推定できた.</p><p>5)オキシドール法は極めて簡便かつ安価な抽出法である.ただし黒ぼく土や難分解性有機物を多く含む土壌などには適用が難しいと考えられた.</p>
収録刊行物
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- 日本土壌肥料学雑誌
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日本土壌肥料学雑誌 88 (4), 327-335, 2017-08-05
一般社団法人 日本土壌肥料学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282763014337280
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- NII論文ID
- 130007394647
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- NII書誌ID
- AN00195767
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- ISSN
- 24240583
- 00290610
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- NDL書誌ID
- 028470481
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDLサーチ
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可