パルミトイル化修飾酵素を軸とした神経機能研究

  • 平田 哲也
    自然科学研究機構生理学研究所分子細胞生理研究領域生体膜研究部門
  • 深田 優子
    自然科学研究機構生理学研究所分子細胞生理研究領域生体膜研究部門
  • 深田 正紀
    自然科学研究機構生理学研究所分子細胞生理研究領域生体膜研究部門

書誌事項

タイトル別名
  • Palmitoylation/depalmitoylation enzymes in neuroscience research
  • パルミトイルカ シュウショク コウソ オ ジク ト シタ シンケイ キノウ ケンキュウ

この論文をさがす

抄録

神経細胞は軸索と樹状突起からなる,高度に極性化された細胞である.神経細胞どうしの無数のシナプス結合により,情報伝達のネットワークが構築され,それが記憶や学習などの脳高次機能の基盤となっている.情報を受容するシナプス後部にはシナプス後肥厚(PSD)と呼ばれる特殊な膜領域が存在し,足場タンパク質であるPSD-95やグルタミン酸受容体など多くのタンパク質が高度に濃縮して存在する.興味深いことに,これらPSDタンパク質の多くが脂質修飾の一つであるパルミトイル化修飾を受けている.本稿では,パルミトイル化修飾研究の分子機構について概説した後,主にパルミトイル化修飾を軸とした神経機能研究に焦点を当て紹介する.また,最近,我々が開発した新規パルミトイル化検出法であるacyl-PEGyl exchange gel shift(APEGS)法と,新たに同定した脱パルミトイル化酵素を紹介するとともに,その今後の展望について言及する.

収録刊行物

  • 生化学

    生化学 90 (2), 125-137, 2018-04-25

    公益社団法人日本生化学会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ