ソーシャルワーク実践におけるネガティブな経験の意味づけ方の変化過程――現任生活相談員の肯定的な語りに焦点を当てて――

  • 孫 希叔
    社会福祉法人同和園総合調査研究企画室 同志社大学大学院社会学研究科(博士後期課程)

書誌事項

タイトル別名
  • The Changing Process of Meaning of Negative Experiences in Social Work Practice: Focusing on the Positive Talk of Social Workers
  • ソーシャルワーク ジッセン ニ オケル ネガティブ ナ ケイケン ノ イミズケ カタ ノ ヘンカ カテイ : ゲンニン セイカツ ソウダンイン ノ コウテイテキ ナ カタリ ニ ショウテン オ アテテ

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抄録

<p>本研究の目的は,ソーシャルワーク実践におけるネガティブな経験がいかなる過程を経て,肯定的に意味づけられていくのかを明らかにすることである.そのため,現任生活相談員11名に半構造化面接を実施し,質的データ分析による検討を行った.</p><p>分析の結果,【期待と異なる現実に対面する】ことで【目指す方向性を失う】【ゆらぐ】状態に陥っていたソーシャルワーカーは,「重要な他者」の支持を得て【自分の役割を意識する】ようになり,【自らを変化させる】【磨く】ことを通して,自身の知識や技能を深めていた.【自らの行動と状況の変化を結びつけて再吟味する】ことで,新たな気づきを得た彼らは,自己洞察による自信と他者からの肯定的なフィードバックによって,【揺るがない実践力】をつかんでいた.ネガティブな経験を乗り越えようとしたこれらの試みが,次なる実践における思考や判断に活かされることで,肯定的な意味合いを持つに至っていた.</p>

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 58 (4), 62-74, 2018-02-28

    一般社団法人 日本社会福祉学会

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