心臓内に発生した軟骨肉腫により右心不全を認めた犬の一例

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  • Right heart failure secondary to cardiac chondrosarcoma in a dog

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抄録

<p>7 歳齢のチワワが失神と呼吸促迫を主訴に紹介来院した。身体検査において左右の心基底部を最強点とするGrade 4 の収縮期雑音を認め、心臓超音波検査では右心室内に腫瘤性病変を認めた。カラードプラ法にて、腫瘤性病変の周囲から主肺動脈にかけて狭窄血流を認め、右室流出路狭窄が原因による右心不全と診断した。治療として、体外循環下による腫瘤の外科的切除を計画したが、症例は手術実施前に死亡が確認された。病理解剖では、腫瘤は腱索を巻き込むように存在し、心室壁との強固な付着が認められた。病理組織診断は軟骨肉腫であった。心臓内腫瘤を原因とする右心不全の治療は、腫瘤の外科的切除術が効果的であるが、本症例では腫瘤の切除だけでなく、腱索再建術やパッチ閉鎖術が必要となった可能性が考えられた。</p>

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