永久気管孔狭窄症例の臨床的検討

  • 辻村 隆司
    日本赤十字社大津赤十字病院 耳鼻咽喉科
  • 安里 亮
    国立病院機構京都医療センター 頭頸部外科
  • 辻 純
    国立病院機構京都医療センター 耳鼻咽喉科
  • 宮﨑 眞和
    国立病院機構京都医療センター 頭頸部外科
  • 田浦 晶子
    国立病院機構京都医療センター 耳鼻咽喉科
  • 嘉田 真平
    国立病院機構京都医療センター 耳鼻咽喉科
  • 本多 啓吾
    日本赤十字社和歌山医療センター 耳鼻咽喉科
  • 片岡 通子
    国立病院機構京都医療センター 耳鼻咽喉科

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Analysis of Tracheostomal Stenosis
  • エイキュウキカンコウ キョウサク ショウレイ ノ リンショウテキ ケントウ

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抄録

<p>喉頭摘出患者における永久気管孔狭窄は,生命の維持およびADLに直接影響する。今回われわれは永久気管孔狭窄をきたした症例に関して検討を行った。対象は2005年4月から2016年12月までに喉頭摘出を含む手術を行った頭頸部癌患者107例である。これらのうち永久気管孔に狭窄をきたした症例は18例(16.8%)であった。狭窄症例と非狭窄症例において,術式および切除組織の差は認めなかった。術後合併症としては頸部皮弁先端の壊死症例が狭窄群において有意に多かった。すべての症例で治療として気管孔開大術が行われており,全例で自覚症状の改善が得られ,カニューレ留置不要な状態となっていた.大きさが安定するまでに必要となった手術回数は1回: 13例,2回: 3例,3回: 2例であった.開大術式はZ形成およびV-Y形成を組み合わせた方法が基本として行われており,再狭窄をきたさなかった症例の形成部位は平均2.46カ所であったのに対して,再狭窄をきたした症例では平均1.20カ所であった.永久気管孔狭窄を予防するためには気管孔周囲の皮弁血流が重要である。また,狭窄をきたした場合は気管孔開大術が有効であるが,再狭窄を予防するためには複数カ所の形成を行うのが望ましいと考えられた。</p>

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