生体内銅イオン動態に着目した筋萎縮性側索硬化症の病理解明

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タイトル別名
  • Pathological roles of copper dynamics in amyotrophic lateral sclerosis

抄録

銅・亜鉛イオンを結合するタンパク質であるスーパーオキシドジスムターゼ(SOD1)は,活性酸素の除去を担う重要な抗酸化酵素であるとともに,神経変性疾患の一種である筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病因タンパク質としても知られている.ALSの主要な病変部位である脊髄運動ニューロンには,変異型SOD1の異常な蓄積が観察されることから,SOD1のミスフォールディングが神経変性に関与する可能性が指摘されている.筆者らは,SOD1が金属イオンを解離するとタンパク質構造が不安定化し,不溶性凝集体や可溶性オリゴマーが形成することをin vitro/in vivoの両面から明らかにしてきた.そこで本稿では,金属イオン結合プロセスの異常に伴うSOD1のミスフォールディング機序について解説し,生体内銅イオン動態の制御を通じたALS治療法の可能性について,近年の研究動向を紹介する.

収録刊行物

  • 生化学

    生化学 90 (3), 311-319, 2018-06-25

    公益社団法人日本生化学会

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763016254080
  • DOI
    10.14952/seikagaku.2018.900311
  • ISSN
    00371017
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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